• 2016.8.8
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自閉症スペクトラム障害(ASD)

症状

1.他人との社会的関係の形成の困難さ

他の人と関わら(れ)ない、仲間になれない
周りの世界に無関心(のように見える)
協調・共感が出来ない (他人の心の動きを推し量る能力に障害があるため、 相互の人間関係に疎い、 会話やその場の雰囲気を理解出来ない、 冗談を冗談と受け止めず真に受けてしまう、 言外の意味を捉えられない  など、対人関係に問題を生じやすい。)
視線をそらす
人の表情や感情を読み取るのが苦手
【乳幼児期】おとなしい・手がかからない・親への愛着が乏しい・呼んでも振り向かない

2.言葉の発達の遅れ・コミュニケーション障害

言葉がない・遅れ(言葉を使って話しかけようとしない)
オウム返し
人称代名詞の逆転 (他人のすることを自分の立場に置き換えられずにそのまま真似するため、 手のひらを自分側に向けてバイバイしたり、 自分のことを「あなた」などの二人称で、相手のことを「わたし」などの一人称で呼んだりする。)
その場にそぐわない言葉、抑揚が無く気持ちのこもらない話し方
身振りの意味が解からない
クレーン現象 (何かして欲しい事を言葉で伝えず(伝えられず)、 近くの人の手を引っ張って対象物の所まで連れていく行動をクレーン現象と呼ぶ)

3.興味や関心が狭く特定のものにこだわる

想像力の障がいとそれに基づく行動の障がい(反復的で常同的な 言語・行動、こだわり)
局限した興味や関心、自分のルールを曲げない、柔軟性の欠如
道順、手順、日課などの決まり事の変更・変化への抵抗
体を前後に揺すったり、手をヒラヒラ・パタパタ、ぐるぐる回り
おもちゃ遊びの不適、ごっこ遊びや物まね遊びの欠如
物への不適切な愛着、特定の物・行動に対する執着
人が何を考えているのかの推測不能 (他人の心の動きを推し量る能力の障がい)
の3つの特徴をもつ障がいです。
自閉症スペクトラム障がいのそのほかの特徴
視覚、聴覚、味覚、嗅覚、触覚の反応が独特、一貫性がない(鈍感と過敏)
おかしな角度からものを見る
赤ん坊の泣き声など特定の音に耳をふさぐ
偏食、拒食、(過食)
臭いをかぐ
肌触りの好き嫌い
抱っこ嫌い
痛みに鈍感
時刻表やカレンダーなど機械的記憶
出来ることと出来ないことの差が激しい(能力がアンバランス)
自傷、他害
パニック
多動
奇声
睡眠障がい
 

原因と対策

自閉症スペクトラム障がいの原因は、親の育て方ではありません。
生まれつきの脳の構造や機能の異常が原因と考えられています。遺伝や環境、妊娠中や出産時のトラブルなども原因の一つとされていますがはっきりとしたことはわかっていません。

ですから、「まわりの愛情が足りなくて自閉症になった」とか、「テレビを見せてばかりいたから自閉症になった」とかいうのは間違いです。

自閉症スペクトラム障害は生涯にわたる障がいです。ですから、現代の医学では残念ながら自閉症スペクトラム障がいは治りません。

しかし、育て方や教育、療育により、その症状を改善することはできます。
自閉症の子どもにとってのわかりやすい環境を用意し、今、何をすればいいのかをわかりやすく呈示していくことで落ち着いて暮せるようになってきます。

また、自分で自分の行動をコントロールする術を身につけていければ、社会に適応して、安定した暮しをおくることもできてきます。

そのようにして、うまくまわりが本人のために環境を整えてあげ、本人もまわりに適応していければ、障害そのものは「治って」いかないにせよ、社会的には次第に「治って」いくこともできるのではないでしょうか。

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